暗号資産と他の投資、始めるならどちら?

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2024年1月から始まった新NISA制度により、株式や投資信託への投資に関心を持ち始めた人は多いでしょう。一方で、最近の米国株の下落により、インデックスファンドの成績は悪化。これを背景とし、新たな投資先を探す人も増えているはず。

そこで、真っ先に注目される投資先が、暗号資産です。中でもビットコインは、昨年時点では6万ドル付近で推移していましたが、米国のトランプ大統領就任を機に価格が上昇。その後は関税政策の不安により一時反発していましが、この問題が緩和されたことで再び上昇。ついに11万ドルを突破しました。

そのため、これまで暗号資産に関心のなかった一般投資家も、毎日のように価格が更新されるビットコインのニュースを目撃し、仮想通貨の投資での運用方法を調査し始めているのです。特に初心者であれば、暗号資産の購入にはウォレットや取引所など株式とは異なる多様な運用方法が存在するため、専門家による解説記事を読むことは必須でしょう。

しかし、それでも「株式や投資信託など、従来からある投資先の方が安心なのでは」と不安視する声も未だに存在。したがって、本記事では暗号資産と他の投資、今から始めるならばどちらのメリットが大きいのか、詳しく解説していきます。

暗号資産の多様な魅力と注意点

暗号資産は、街中の家電量販店やインターネット通販などで商品購入の決済手段として利用できる場面が増えており、単なる投資対象を超えた存在感を示し始めています。

こうした暗号資産の魅力のひとつは、過去に大きな値上がりを経験していることでしょう。たとえばビットコインは、昨年同時期と現在の価格を比べると、約60%の上昇を記録しています。さらに、米国のトランプ大統領公式ミームコインとして知られる「TRUMP」は、1月17日のローンチからわずか2日以内に一時150億ドルの時価総額に到達。世界中で、いわゆる“億り人”が誕生しました。

また、暗号資産の取引所は、24時間365日空いています。したがって、いつでも取引できる点は、株や債券とは異なるメリットであると言えるでしょう。通勤中やちょっとした隙間時間にスマホ1つで売買できるため、時間が限られているビジネスマンでも気軽に暗号資産に投資することができます。

ただし、暗号資産は値動きが激しく、数日で大きく下がることもあります。最近では、中東情勢の悪化など、地政学的な予期せぬの出来事によってリスク回避の動きが強まり、売り圧が高まるケースも度々見られます。したがって、暗号資産投資はハイリターンが期待できる一方で、このようなこうしたリスクを十分に理解したうえでの判断も求められます。

株式投資との比較

従来から存在する投資方法としては、株式が最も一般的かもしれません。 この株式投資は、企業の成長に期待してお金を出し、その企業の一部として株を保有できる仕組みのことを指します。 そして、企業の業績がよければ株価が上がり、売却して利益を得ることが可能です。 

また、投資先の企業によっては、配当金として定期的にお金がもらえることもあります。 こうした収益が見込めるため、長期的に資産を増やしたい人にとっては魅力的な投資手段といえるでしょう。 

ただし、企業の業績や経済全体の動きに左右されることもあり、安定が約束されているわけではありません。 暗号資産と比較すると、値動きは緩やかな傾向にありますが、それでもリスクはゼロではないことを忘れないようにしましょう。

債券投資との比較

債券は、国や企業にお金を貸して、そのお礼として利息をもらうという投資方法。 そして、あらかじめ決められた期間が過ぎると、お金は元通り返ってくる仕組みになっていることから、リスクは比較的少ないといわれています。 

一方で、ローリスクな分、利益は控えめ。 また、インフレに弱いという一面もあります。 たとえば、毎年1万円の利息がもらえる債券を持っていたとしても、物価が上がってしまうと、その1万円で買えるものが減ってしまうのです。 

したがって、暗号資産のような急激な値上がりを期待することは難しいですが、安定した収入を目指す人にとっては、投資先の候補となってくるでしょう。

不動産投資との比較

不動産投資は、アパートやマンションなどの建物を購入し、家賃収入や資産価値の上昇によって利益を得る方法です。

数百円から投資できる暗号資産とは異なり、不動産は数千万円から数億円といった高額な初期費用が必要になるため、初心者にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。また、物件の管理や修繕など、予想外の手間やコストが発生する可能性もあります。

それでも、長期的に安定した収入を得たい人にとっては、有力な投資手段のひとつと言えるでしょう。

金との比較

金(ゴールド)は、長期間保有していても価値が大きく下がりにくい、安心感のある資産として、古くから多くの投資家に選ばれてきました。そのため、いざという時の備えとして活用されることも多くあります。

実際にここ数ヶ月の間でも、国際情勢の不安定さを背景にリスクの高い資産への投資を避け、安全性の高い金へと資金を移す動きも目立つようになっています

一方で、金は長期的に価値が安定している反面、急激な値上がりはあまり期待できません。そうした特性をふまえると、価格変動が大きく成長性のある暗号資産と、安定性のある金の両方にバランスよく投資することで、リスクとリターンのバランスを取るという考え方も有効かもしれません。

まとめ

暗号資産は、実生活でも決済手段として活用できるようになり、ここ数年で着実に価値の安定性を獲得しています。ただし、それでも金融危機や地政学的問題により、値動きが突如として激しくなる恐れもあります。

それに対して、従来から存在する投資手段、株式や債券、不動産、金といった資産は、より安定的な運用を目指す手段として有効でしょう。

そのため、どれか1つに絞るのではなく、複数の資産に分散投資をすることで、全体のリスクを抑えながら安定した資産運用が可能になります。自分の目的や生活スタイルに合った投資方法を選び、将来の安心につなげてみてはいかがでしょうか。

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